第7回 2003年5月5日 那智勝浦 天気晴れ 凪
くじらを極めたい!!

 この日は、何と!朝からシャチが現れ、マッコウクジラの子供を襲いに来たとのこと。シャチをマッコウが取り囲み一進一退の状態を見ることができた。…※これは漁船の情報です。

 午後乗船予定だったので、「しまった朝から乗れば」と思いましたが、その状態が続いているかも知れず、期待で胸がばくばくしてました。そもそも「くじら」もさることながら「シャチ」が見たいんですから、僕は

 出航して間もなくその朝の地点にたどり着いたけれども、何もない。全くいない。もしかしたらシャチに追われてマッコウは沖合いに逃げたのかも知れないと嫌な予感が走りました。海中にマイクを投下して、マッコウの出す「カチッ、カチッ」というクリック音を探し、ずいぶん遠くにその音を確認できました。
音を頼りに2隻の船でマッコウを追いかけます。すると前方にブローが。真横にはジャンプの水しぶき、これはハナゴンドウの群れでした。

 前方のブローに近づくと、これは親子のマッコウで、海面にクロスする様に頭を持ち上げ、カチカチと音を出しました。海坊主はもしかしたらここからきたのかも知れないですね。
 マッコウは泳いだり、潜水したりするのはよく見られるけれども、このクジラがジャンプすることは滅多にないことです。以前、写真家が三日間連続して朝も晩もこのチャンスをおさめようと挑戦したけどだめだったと聞きました。マッコウは跳んでも一回きりで、連続して跳ぶことはない。いつ、どこから跳びだすのかわからない。このために、もしマッコウのジャンプを写真に収めることができたら新聞社から報奨金がでるとの事です。その滅多にないジャンプがこの日見れたんです。それも一回二回じゃなくて10回以上も!!
 船長もこんな事ははじまって以来だと興奮していました。
 マッコウは明らかに意識してジャンプしているようです。あっちでも跳んだ、こっちでも跳んだ。
 ジャンプに圧倒されていると、今度はジャンプとは違う水飛沫が上がっています。下半身を海面から垂直に突き出して、尾ひれを海面に叩きつけるテールスラップです。
水しぶきもそうですが、そのバシッという音も大海原に響き渡っています。これも珍しい!!数十回これを繰り返し、また泳ぎだしました。どこかに交信していたのでしょう。

 マッコウを船でおっかけると、尻尾が手に届くほどの大接近、下の写真はそのシッポから上がる水しぶきです。
 大満足で帰路についたのですが、そこでまたまた前方で大ジャンプ!!


小田さんへの報告


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