第6回 2003年4月28日 那智勝浦 天気曇り 波ややあり

 観光地串本は海がメインですから夏の街といえます。(地元の人が見てたらごめんなさい)それにくらべて冬はこれまた僕にはすることがまったくなくなってしまいます。鯨熱はますます高まっているというのに海にも出れず、鯨にも会えず。イルカの追込み漁でイルカを見ただけで、ただただ、高台にいってブローはないかなとかイルカの群れはいないかと眺めているだけでした。そんな暇なとおっしゃるかもしれないですが、本当に暇そのものでした。だからこのHPができたといっても過言ではありません。ビデオカメラも買って準備万端、あとはシーズンが来るのを待つのみ。

 4月、待ちに待った南紀のウォッチングシーズンがはじまりました。僕が行く前日、「クジラに逢えたら」の小田さんから、マッコウクジラ見れましたとのメールをもらいました。もうすぐ、マッコウに会える!この夜、ほとんど興奮状態で眠れませんでした。夢にもマッコウ鯨が現れる始末。

 この日は少し天気が悪く、波も多少ありました。それでも、今回ははっきりとマッコウが近くにいるのを感じます。
カツオ漁船の無線も、「こっちにあるよ」としきりに聞こえてきます。はやく出港、はやく出港。期待と興奮をおさえるのに必死です。さあいよいよ出港です。今日は米川船長。

 しばらく走ると、遠くに白くて丸い霧状のものが見え、これがはじめてのマッコウのブローでした。
ブローはあちこちにあがり、前、横、後ろとマッコウの群れに遭遇しました。

 マッコウクジラは通常、メスと子供などの群れで移動して、この季節、ここ那智勝浦沖で見ることができます。オスでもとびきり大きいマッコウクジラは体長18メートルにもなり、群れとは離れて行動します。「はぐれマッコウ」と呼ばれるこのオスは繁殖シーズンだけ、群れに接近します。だから、このはぐれマッコウに逢うのもなかなか難しいようです。しかし、幸運にもここ数日この大マッコウは毎日見れてます。この日も大マッコウを見る事ができました。肌の色が少し違います。体の小さいマッコウは灰色の光沢がある肌ですが、この大マッコウは茶色の混じった灰色です。

(マッコウクジラよりも前に「クジラ」について付け加えます。クジラとイルカの違い。(同じだけど僕の目には違う)。クジラはイルカとはあきらかに胴回りが違います。ぶっといんです。遠めでドラムカンくらいの太さに見えますから実際はもっと太い。僕がはじめに目にしたのはメスの群れですからだいたい8メートルから10メートル級のクジラです。水族館のイルカは2〜3メートル強ですからだいぶ大きい。長いじゃなくて大きい。それからイルカは人や船を意識して泳いでいる様子だけど、クジラは自分たちがメインで船や人はあまり気にしてない。泳ぎはイルカにくらべればぶかっこうです。まあこれはマッコウクジラというクジラだからかも知れませんが。それから深い息をする。ブッハーとでかい息です。このおっきいやつらは確かに呼吸をし、生きているんだと何だかよくわからん感心にひたります。これらがクジラの大きさからくる貫禄なんですが、それは実際に見て感じないとわからないことだと思います。)

 背びれから鼻までの長さが異常に長く、ブローするまで、そこに鼻があることがわからなかったくらいです。動じない貫禄、さすがに大マッコウです。岩に見えますよ、18メートル級は。

 それにしても、はじめて大マッコウを見、それからマッコウの群れが波間を泳いでいく姿は感動ものでした。
 この日はハナゴンドウもちらちら見えたんですよ。けどメインはマッコウ、それも大マッコウが見えたとなるとハナちゃんの影は小さくなってしまいました。ぼくは確かに大きなクジラを発見しました。(実際は船長に発見してもらってるんですけど)その大きさを感じました。けど、まだまだ見たりません。もっと見るぞ!!


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